今、何処?(2)
2012年1月27日
日本の「今」を考えるに相応しいキーワードとして「国民総収入額」という考えを耳にした。その方が、「国民総生産額」より 国の経済力を量る指標になるだろうという。
生産拠点が海外に移転し、製品は海外から海外へ。お金だけが日本に入ってくる流れになった。それは「海外への投資」が、「売り上げ代金の受け取り」という配当を生むと言う。昨年でも、総収入額が、総生産額を150兆円も上回っているが、その傾向は続くと。
国内の物作りで、自動車の完成品はあるものの、テレビ・冷蔵庫などからは撤退が続いている。強いのは部品だという。今回の大震災で東北の部品工場が痛手を受け、海外での生産に支障を来したことは記憶に新しい。鉄鋼や化学部門でもノーハウは残るものの、製造工場は少なくなるのだろう。
「物作り」としての働き場所の減少→就労と少子化問題、社会保障とも絡んで複雑化。配当の分配・格差問題。手元には、算盤も計算尺も電卓もあるが、世間では余り使われていない。時代を思わせる姿だ。
昨年、ブータンの若い国王と王妃が来訪された。爽やかなお二人からもう一つのものを貰った。「国民総幸福量」である。国の力というより国の「在り様」である。価値の置き処が違った。忘れていたもの、或いは嘗て捨てたものであったかも知れない。
歴史の流れ、自分の立ち位置を考えるに必要なものが、此処にもあった。 (GG)