大船渡教会
2012年11月15日
先日、仕事で宮古と釜石に行った帰りに大船渡教会に立ち寄った。
朝6時半に仙台を発って盛岡南インターから宮古に向かい、釜石を経由して大船渡に着いたのは4時半、日が暮れかかるころだった。
11月にしては暖かな日だったから、暫し、聖堂前で京都から応援に来られている森田神父と立ち話をして帰ってきた。
大船渡教会は、昨年の夏数回訪れて以来だ。
聖堂は海に臨んではいるけれど、小高い丘の上に建っているため津波の被害は免れた。しかし、丘の麓にあった納骨堂は流され、聖堂に隣接するカトリック海の星幼稚園のスクールバスの車庫も流された。納骨堂に安置されていた5柱の遺骨は、未だ帰っていない。
ただ、あの日、園児たちは、園舎裏手の崖を先生たちに手を引かれて下りて避難し、全員事無きを得たそうだ。
昨年夏は、聖堂と幼稚園に上がっていく坂道も一部が流され、周囲は瓦礫と壊れた建物が残っているだけで、以前の町の面影を偲ぶことはできないような状況だった。
丘の上から周囲を見渡すと、復興への兆しが少しだけれど、見え始めている。行政は周囲の土地利用の計画を決定したそうだし、あたりには闇が広がる中ポツリポツリと灯火が見えている。
聖堂屋根に聳える十字架にも、灯火が点されている。
丘の麓から見上げる十字架の灯火が、町の人達にとって希望の象徴となるよう祈りたい。(GON)