カトリック北仙台教会

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女川・石巻巡礼に参加して

2012年4月16日

 先日、女川・石巻巡礼に参加した。石巻に4年ほど住んだ事のある私にとって、この町にはたくさんの思い出がある。

 ちょうど一年前、震災の2週間ほどあと、私は石巻を訪れ、そこで見た物は、波に押され押しつぶされた家々だった。あまりに変わり果てた思い出の町を前に、呆然とし、涙があふれた。

 1年後、押しつぶされた家々はきれいに片付けられてはいたが、処理しきれない大量のがれきの山、廃車となったたくさんの車は、まだそのままだ。そして、住人がいなくなり、更地となった町。被害が大きかった地域の復興はまだまだである事がよくわかる。



 女川では、私が知っている女川の町は無くなっていた。マリンパル女川の建物が無ければ、そこが女川の町だという事に気づかないほど、何もかも無くなっていた。そこに転がるかのように横たわる、鉄筋コンクリートの建物。女川の町は、こんなに小さく狭かっただろうか。かつては人々の生活があり息づいていたはずの場が、全く無機質とも思える場となっている事に、心は重くなる。

 女川での祈りのときには雪も舞い、あの日のように寒かった。私たちの祈りのカーネーションが浮かぶ海の水は、あの日の事が夢であったかのように、碧く静かに揺れていた。



 石巻教会ではミサを捧げ、津波から逃げ延びた信者さんのお話を伺った。生々しいあの日の話は、参加された方の心に深く刻まれたと思う。暖かく私たちを迎え入れてくださった石巻教会の方々には感謝である。

 今回の巡礼を通して、心と体で被災地を感じる事ができた。このツアーに参加された方々は、神父さまの説教にあったように、より、被災された方々の心に寄り添う事が出来たのではないだろうか。

(YT)

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