かつて「万聖節」とも呼ばれたこの祭日は、東方教会に由来しており、東方では4世紀にはすべての殉教者の記念を行っていました。その日付は地方によって異なっており、たとえばシリアでは5月13日に、アンティオキアでは聖霊降臨の主日直後の主日に祝いました。現在でも、ギリシア正教会では聖霊降臨の主日の次の主日に祝っています。また、東シリア典礼では、復活祭後の金曜日に祝っていました。
ローマ教会では、教皇ボニファチオ4世(608年~615年)の時代に、上記の5月13日にすべての聖人を記念するようになりました。一方、英国やアイルランドでは8世紀ごろから11月1日にすべての聖人を記念していました。これと同時代の教皇グレゴリオ3世(在位731年~741年)は、ローマの聖ペトロ大聖堂内に殉教者のみならずすべての聖人をたたえる礼拝堂を造り、それを機に11月1日にすべての聖人を祝う習慣がローマ教会にも導入されたようです。そして、教皇グレゴリオ4世(在位827年~844年)の求めに応じた敬虔王ルートヴィヒ(ルイ)1世(在位814年~840年)がフランク王国内でこの祝日を祝うことを定め、以後、西方教会全体でも広く祝われることとなりました。
【第1朗読】 黙示録7・2-4, 9-14 〔わたしは、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆を見た〕
【第2朗読】 一ヨハネ3・1-3 〔わたしたちは御子をありのままに見る〕
【福音朗読】 マタイ5・1-12a 〔喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある〕
ーカトリック中央協議会より(https://www.cbcj.catholic.jp/catholic/tenrei/nenkan8to34/)